2013年2月6日水曜日

利益相反等、原発に関する新潟県への申し入れ

2月5日、原発からいのちとふるさとを守る県民の会は、新潟県の原子力安全対策課に、技術委員の利益相反、防災訓練、地盤問題などについて申し入れをしました。

県民の会は、これまで原発の安全に関する技術委員のメンバーがどのような団体から寄付金を受け取っているのか、いわゆる利益相反について調査するよう、昨年から県に申し入れを行っていました。その申し入れを受けてかどうかはわかりませんが、1月30日、県はホームページで、技術委員のメンバーの内4人が電力会社と関係の深い団体と共同研究を行い、研究費を受け取っていることを明らかにしました。

当日の交渉で、「県のホームページからなんとかこの発表を見つけ出した。なぜもっとオープンにしないのか。この事実を知らせるため記者会見を開く」と迫りました。その結果、県はこの交渉が終わってから、メディアリリースをしました。

技術委員会の座長である、鈴木賢治氏(新潟大学教授)は、電力各社の寄付金で設立された電力中央研究所から、平成22年~24年の間に、335万円の研究費を受け取っています。いわば「原子力ムラ」と呼ばれる組織からお金を受け取っていたのです。そのような委員が原発の安全性に公正な審査ができるのか、公平性の担保がとれるのかは疑問です。対策課は「委員の議論が科学的かどうかで判断をしてほしい」と言っていますが、信用できません。利益供与を受けている人間を真っ先に委員から外すべきです。







                                                                                                            2013年2月5日
                                                                                                             新潟県知事
                                                                                                            泉田裕彦 様
                                                                      原発からいのちとふるさとを守る県民の会
                                                                      共同代表 和田 光弘
                                                                      連絡先 新潟市中央区新光町6-2
                                                                      TEL025-281-8100 FAX025-281-8101
                                                                                (公印省略)
       
       柏崎刈羽原子力発電所に関する申入れ書

 柏崎刈羽原発に対する県民の安心、安全を図るためご尽力されていることに敬意を表します。
 原子力規制委員会は1月30日、原子力災害対策指針(改定案)を公表し、本県でも地域防災計画(案)の意見募集が長岡、上越市で始まっています。県民の被ばく防護の点から見ると、緊急時の避難基準、防護措置実施区域、実効線量などに大きな問題があります。
 また、規制委員会・専門家会合で「原発の地震・津波対策における新安全基準の骨子案」が先月29日にまとめられました。さらに、東京電力が先行するとした7号機フィルタ付きベント工事の着工についても安全協定上の疑義があります。よって、以上の2点と継続議論である利益相反、地震地盤問題を加えて申し入れます。
                          記
1、利益相反について
1)11月末に自己申告を求めた調査結果を公表すること
2)解任を求めた4委員への対処方針を明らかにすること

2、原子力地域防災計画について
1)「緊急時防護措置準備区域」を50キロ圏に拡大すること
原子力規制委員会は、数時間以内に屋内に退避する避難基準を「空間線量率500μ㏜/h、実効線量50m㏜/週」としたが、同委員会による、柏崎刈羽原発の放射能拡散シミュレーション(IAEA基準の100mSv/週)でも30㎞を超える地点が8方向(最遠40.2㎞)におよび、7日間で50mSvの被ばくを受ける地域は50㎞を超えている。現行の県の素案、市町村研究会の暫定案(30キロ圏の自治体を避難準備区域)は、区域外住民の被ばくの拡大をもたらしかねない。新潟市など50キロ圏の自治体は、避難受入れ区域ではなく、避難準備区域とすべきである。

2)飲食物摂取制限は現行基準とすること
放射性セシウム200Bq/㎏(飲料水・牛乳・乳製品)、500Bq/㎏(食物)と防災指針の飲食物摂取制限は、内部被ばくの感受性の高い子どもたちにとって極めて高い基準であり、現行の基準(10、50、100Bq/㎏)を超えることは許されない。

3)現行案では被ばくを防ぐことはできないことを明確にすること
 地域防災計画は確定論的影響評価に基づいた緊急時の防護策であり、本来の防護基準は年1ミリシーベルトの法定実効線量である。防災指針の避難基準は屋内避難した場合の放射線遮蔽率を含めた被ばく線量であり、国際放射線防護委員会の確率論的影響評価である「しきい値なし直線モデル」からみて、ガンや免疫低下などの健康被害リスクが極めて大きく、廃炉にしない限り被ばくリスクは排除されず、実効性のある原子力防災は不可能であることを明記すべきである。

4)県防災訓練は実効性がないことから延期若しくは中止すること
 少なくとも、原災法15条発令時(敷地境界空間線量5μSv/hなど)に避難を開始しなければ防災計画見直しの意味はない。現行案は実効性に乏しく、防災訓練は延期もしくは中止すべきである。
 
3、フィルタ付きベント設置について
1)東電に事前了解の協議を申し入れること
安全協定第3条(事前了解)の運用は、対象を「周辺住民の線量評価に関係するもの」としており、フィルタ付きベント工事はこれに該当する。東電に事前了解の協議を申し入れるべきである。

2)福島原発事故の検証抜きの工事を許さないこと
大量の放射能放出を伴うベントは、格納容器の自殺を意味する究極の選択である。事故が起きても人が傷つかないという本質的な安全対策にはなりえない。技術委員会で福島原発事故の検証や安全対策の提言もされていない状態でフィルタべント設置は許されない。

4、地盤地震問題について
1号機は耐震設計審査指針がない中で認可され、2~7号機は1978年の5万年の活断層基準で審査され認可された。その後2006年に耐震設計審査指針が改訂され、活断層は後期更新世以降(12~13万年)とさたが、地震及び津波に関わる新安全設計基準(骨子素案)では、「後期更新世の活動性が明確に判断できない場合には、中期更新世以降(約40万年前以降)まで遡って地形、地質・地質構造及び応力場等を総合的に検討した上で活動性を評価すること」としており、再調査が必要である。新潟県原子力技術委員会は柏崎刈羽の地盤・地震問題を主体的に議論すること。
                                                        以上



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